最強のふたり

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デコボココンビの話というのは多い。

最初は気が合わない二人がある事件をきっかけに互いを認め合い、良きパートナーになっていく。そして自分自身も成長する。みたいな

 

そういう話だと思ってた。

だけど違った。

主人公は全身麻痺で車椅子生活を送る貴族出身の老人フィリップと、スラム出身の黒人青年ドリス。

 

彼らは特に事件に巻き込まれるわけでもなくなんとなく仲良くなってしまう。

ただ気が合ったからだ。

 

ちょっとだけエピソード紹介

フィリップはいつも車椅子で乗れる介護用の車に乗っていた。

その横にはフィリップが全身麻痺を患う前に乗っていた黒塗りの高級車がある。

それを見て「なんだこのイカした車は」とドリスは興奮する。

 

そしてドリスは続ける。

こんなダサい車の後ろに豚みたいに乗せられて楽しいか?こっちに乗ろうと

ドリスめちゃめちゃいいやつだなと思った。

 

2人の共通点は偏見がないことだ。

フィリップは黒人青年の好きなファンクミュージックに耳を傾け、逆に自分の好きなクラシック音楽をオーケストラを家に呼んでフィリップに聞かせる。

終いにはフィリップがお揃いのピアスまでしてしまったのには笑ってしまった。

 

もう一つエピソードを

フィリップは好きな女性とのデートにこぎつけるのだが、直前になり緊張のあまり店から遁走してしまう。

そしてドリスに電話をかけどこか遠くに行かないかと誘う。

その時フィリップはドリスがデートから逃げたことを知っているのだが、なにも言わずにフィリップを迎えた。

 

ついつい逃げるべきじゃないとか言っちゃいがちだけど、そういうべき論ってあんまり優しくないのかなあと思った。

優しくなりてえ

 

障害者うんぬんではなく、人との付き合い方を考えられる作品だった。